【新唐人2014年10月1日】最近、河北省最大の金投資会社「黄金佳グループ」の資金チェーンが断裂し、会社が差し押さえられ、会長とも連絡が取れなくなりました。黄金佳が理財商品で集めた資金は少なくとも数十億元に達し、投資者は全国20以上の省で1万人を超えています。元金すら取り戻せない状況に直面し、河北省の多くの都市では投資者らが政府に解決を求め、抗議を行っています。
9月18日、「河北省最大の金投資会社」と呼ばれる黄金佳グループが違法な資金調達をしたとして差し押さえを受けました。その後の数日のうちに、河北省の滄洲(そうしゅう)、邯鄲(かんたん)、石家庄、張家口(ちょうかこう)、保定(ほてい)などの都市の黄金佳グループ店舗が次々と差し押さえられました。
黄金佳グループの製品は、金塊、銀塊から綿棒や食用油まで多岐にわたっていますが、理財商品の利息は銀行の数倍であることから、多くの注目と投資者を集めていました。
メディアによると、黄金佳グループの資金チェーン断裂による投資危機は、中国の20以上の省の1万人の投資者にまで波及しています。
情報によると、黄金佳グループが凍結された金額は27億元だそうです。しかし、集めた資金総額は百億元を超えていると伝えられています。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利さん
「中国の資金流れには根本的な問題があり、政府の管制の問題です。政府の管制には二面性があり、統一したルールに基づいていません」
中国金融シンクタンクの研究員、鞏勝利(きょう しょうり)さんは、中国で頻繁に資金集めの事件が発生するのは、政府の監督管理機関に問題があり、取り締まる人と目をつぶる人を分けているからだと述べます
最近、河北省の張家口、滄洲、廊坊(ろうぼう)、衡水(こうすい)などの都市では、政府ビル前に数百人の抗議者が集まり、横断幕を掲げ、騙し取られた資金を取り戻すために政府が動くよう要求しました。
今回の事件を当局は「不法資金集め」と位置づけましたが、これに対しネット上では、不満の声が上がっています。被害者は、購入したのは金製品であり、資金集めとは性質が異なると考えています。
実は、黄金佳グループは廊坊市で名声が高く、数多くの栄誉を獲得しています。たとえば「中国地金業界で最も影響力のある10大ブランド」、「全国消費者権益保護信頼保障企業」などなどです。この他、黄金佳グループは河北省政府が各種交易場所として認めたプラットフォーム10社の中の1社です。
また、黄金佳グループの会長、肖雪(しょう せつ)氏はテレビや新聞でよく報道される企業家スターでした。国家金投資高級アナリスト、中国黄金協会理事、天津科技大学大学院生の指導教官、廊坊市人民代表大会常務委員、廊坊市工商聯合総商会副会長、河北省政治協商会議委員などの多くの肩書きも持っています。
また今年の春には、農業企業代表として習近平国家主席の商業代表団と共にオランダを訪問しました。
しかし事情を知る人物によると、肖雪氏は最近夫と離婚し、三人の子供のうち、二人は現在海外にいるそうです。もしかすると、財産もすでに海外に移転したのかもしれません。
時事評論家 黄金秋さん
「中国のビジネスのほとんどは官商結託に頼っていました。ほとんどが『官職を持つ商人』なのです。政府資源を掌握し、官僚とコネを作ってはじめて企業を大きくできるのです。大きく成長した後は、党と政府が人民代表大会代表や政治協商会議委員などの特権を与えてくれるのです」
時事評論家の黄金秋(こう きんしゅう)さんは、中国の多くの企業家は正当な商売をしておらず、彼らの急成長には原罪があり、一旦政府の支持を失うと、倒産すると述べます。
最近、河北省南部の邯鄲市では、不動産価格の下落で資金チェーンが断裂した不動産業者が、返済のめどが立たず、やはり次々と資金を持ち逃げしています。
鞏勝利さんは、中国企業で資金チェーン断裂が絶えないのは、中国経済の全体環境に問題が現れたからだと指摘します。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利さん
「これの問題は3方面から来ています。1つは貨幣の運営コストが高すぎること。2つ目は党と政府の運営コストが高い。例えば中国の党と政府は2つの中心と7層の構造で、G20の中で運営コストが最も高いのです。3つ目は産業の運営コストが高いことです」
鞏勝利さんは、この3方面の問題が中国の経済成長のネックであり、これらの問題が解決されなければ、中国経済の状況は悪化の一途を辿るだけだと指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/09/25/a1141027.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/大口 映像編集/李)